オフショア開発の導入事例

使用ソフト
NX(CAE解析) Mach2, Mach3

導入の背景

建機メーカー大手の日立建機株式会社様のオフショア開発がスタートしたのは2013年9月でしたが、ベトナムのチームをコントロールする日本側リーダー(ベトナム人エンジニア)が採用されたのは2008年のことです。

当時はCAE解析のベトナム人エンジニア派遣として来日しましたが、これがオフショア開発に展開したことになります。

ベトナム側のリーダーとメンバーは、茨城県土浦市にて6ヵ月の研修を行い、その後ベトナムの日立建機様専用の開発ルームでの業務となりました。最初その開発ルームは窓がない部屋でエンジニアから不満が出ましたので、すぐに「窓のある部屋」に引越しさせた経緯があります。

当然、オフショア開発プロジェクトが長く続くことを期待していますが、今後の展望含めインタビューさせていただきます。

ベトナム人のオフショア・コントローラー
日立建機株式会社 茨城県土浦市
CAE解析エンジニア・リーダー&メンバー
ベトナムホーチ アールテクノ開発センター

Interview

質問者: 株式会社アールテクノ 高橋
回答者: 日立建機株式会社 実験解析評価センタ 主任技師 部長代理 星 様

Q1-まずは基本的なところから。貴社が行っているのは解析・シミュレーションの仕事ですが、具体的にどういう仕事をベトナムのチームに行わせているのでしょうか。最初はメッシュ作成のみを行わせる予定だったのですが、結局ソルバーも設置して、ベトナムで計算できるようにしたという経緯があります。

A1-メッシュ作成だけですと、モデルの不備(例えば、メッシュが切れている、形状良くなく特異点がある、計算が収束しないモデルであるなど)が確認できなく、土浦で計算実行した際に日本側のスタッフが修正に時間を要してしまう。モデル作成した人がモデル修正することが一番効率が良く、モデル作成と同時に計算実行できるモデルであることを確認し納品して頂くために計算出来る環境にして頂きました。

Q2-貴社は国内の一般的な技術者派遣もよくご利用されると思いますが、アールテクノのオフショア開発はそれらに比べてどのような違いがありますか。また、貴部門内での彼らの存在・技術的なスキルやスピードはどのようなものなのでしょうか。

A2-土浦の居室で身近で話しが出来る環境がベストですが、近年ではテレビ会議も解析マシンの画面共有・通信速度も良くなってきており苦になりません。技術スキルは正確性の面では部内スタッフよりも長けており、大規模で複雑な解析モデルなど対応頂いております。

Q3-本来アールテクノのオフショア開発は、日本人の担当者がコミュニケーションツールを使ってベトナムの「日本語の話せるベトナム人エンジニアリーダー」と打合せをする、という方法をとりますが、貴社の場合は、ベトナム側のリーダーとは別に、日本側にもベトナム人エンジニア(日本側リーダー)を置いています。この方法だと日本側リーダーの分だけコストがかかるのですが、コミュニケーションや全体のパフォーマンスの観点からどのようにお考えになりますか。

A3-ベトナムに日本語が話せるベトナムリーダーよりも日本側に日本語が話せるベトナムスタッフが居る方が業務を行う上で効率が良いです。ベトナムスタッフが日本に居る事で、近くで製品を見る事が出来、製品について詳しく理解することが出来ます。製品を理解されたベトナムスタッフがベトナム語でベトナムメンバーに指示を出せることで正確にやるべき事が伝わります。
日本にいる日本人スタッフとベトナム側のスタッフがもっと直接話が出来るようになる事が理想ですが、現在はまだ言葉の壁があり意思疎通が出来ない時があります。現状は仕方がない事かと思っていますが今後は自動通訳ツール等が充実してくれば積極的に取り入れたいと考えております。

Q4-CAEはデータ量が莫大で、日本とベトナム間でやり取りをするのが簡単ではないと思います。貴社でもともと使っていた専用のネットワーク回線を利用してファイルの転送を行っていますが、どの程度のデータ容量がどれくらいの時間でやり取りできているのでしょうか。また、その頻度を教えてください。

A4-データ容量は大規模なもので、2.5GBほどのモデルが月に2モデル程度、1.0GBほどのモデルは月に4モデル程度ありまして、1モデル15分~30分ほどの通信時間で転送することが出来ています。それ以外のデータ容量が小さいモデルは常に作成してもらっており通信時間は気になりません。それでも結果ファイルは膨大になりますので、FEMモデルのみ送信してもらっています。

Q5-アールテクノのオフショア開発は、毎年一人一人に対する貴社の評価をもとにしたエンジニアの給与改定があり、時間単価がぼちぼち上昇していきます。エンジニアを交代しながらドライブしていくことでコストを一定の範囲に収めるという考え方もありますし、できるだけ同じエンジニアを長く使い続けることでコストが上昇してもスキルも上がれば良いという考えもあります。貴社の場合はどのようにお考えですか。

A5-コストが上昇してもそれ以上にスキルが上がってくれれば問題ありません。

Q6-今回ベトナムのメンバーの一人が親の病気で田舎に帰らざるを得なくなり、代わりのエンジニアを追加採用していただきました。弊社は貴社の仕事をするために、CAE解析経験のあるエンジニアを集めたのですが、貴社はあえてCAE経験のないエンジニア(プレス金型の設計経験者)を採用されました。その意味について教えてください。3Dのモデリングができるという点が重視されたでしょうか。

A6-3Dモデリングの中でもNXを利用しているところで弊社の環境と一致していた事と、面接時の話の真剣さから決めました。

Q7-個人差はあると思いますが、ベトナム人エンジニアについての印象を教えてください。

A7-皆さん真面目で正確に作業してくれる方ばかりです。安心して業務を任せられます。

Q8-アールテクノのオフショア開発は継続的な運用を前提としており、仕事があってもなくても一定の金額が毎月かかり続けることになります。その代わり貴社専用の固定メンバーで、彼らの成長がプロジェクトの成果を決める、という内容です。したがって「仕事があるときだけ出す」というのとは異なります。いわゆる国内の設計請負と比較して、常用型(アールテクノのオフショア開発)のメリット・デメリットについて教えてください。

A8-国内の請負型は様々な業種・会社を相手にされているため弊社の業務を御理解いただくのに時間が掛かります。
突発的な業務が発生してもそこからの工数見積もり、発注などで多大な時間がかかりタイムリーに計算結果を出すことが出来ません。常用型は弊社専用に業務を行って頂いていますので理解が早く、突発的な業務にも即対応して頂いています。

Q9-アールテクノのオフショア開発は、日本国内での人材不足やコスト高騰を解決するための企画です。お客様が望めば
(あるいはエンジニアも希望すれば)、正社員採用もできる前提です。今後の課題や将来的な展望について教えてください。

A9-現状はモデル作成を中心にお願いしておりますが、近い将来には結果レポートまとめを行って頂けるように少しずつ業務を広げていきます。また画面共有した打合せが日常的にリーダーを介することなく誰でも出来るようにしていきます。そのためのコミュニケーションツールは積極的に導入し効率を上げて行きたいと考えております。

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